先週土曜日の「らららクラシック」という番組で、
シューベルトの歌曲集「冬の旅」を取り上げていた。

この曲は大好きで、
昔、ディートリッヒ・フィッシャー・ディスカウのレコードで、よく聞いていた。
孤独、絶望、失恋、暗闇、涙、雪、烏、さらには墓まで…
これでもか、これでもか、と暗くて不吉な言葉が続く。
曲も暗い。(「菩提樹」と「春の夢」はちょっと温かいけど。)

レコードをある時期にまとめて処分した後にも、
しばらく経ってまた聴きたくなって、
同じフィッシャー・ディスカウの、今度はCDを買った。

そんなに聴いてたのに、
ず〜っと、冬の道を彷徨う主人公は50才位だと思い込んでいた。
フィッシャー・ディスカウの声のせいもあるが、
“中年男”が若い娘に恋したが相手にされず、死のうと思って
冬の道を彷徨っている…のだと思っていた。
それくらいに、どうしようもなく、全編深い絶望感が漂っている。
人生に疲れ果て、全てに絶望した男のイメージだったのだが…。

違ったね。

「らららクラシック」を見て初めて、
この主人公は若者であるというのがわかった。

なんだ、そうだったのか。
急に、軽い感じになっちゃったぁ〜。
若者が娘に恋してフラれるのは、普通の話じゃん。
そこらへんにゴロゴロしてるじゃん。
(番組に出てた有名な作詞家は、10代とおっしゃっていたが、
ま、そんな若くはないとおもうよぉ〜。)

それまで勝手に中年男の設定でいたので、
第1曲「おやすみ」の中で、
母親が娘の“結婚”を口にしていた…とあるのは変だな、
普通、中年男から求婚されたら親は反対するよな、
というのは、ずっと思っていた。謎が解けた。

そうか。そもそもの設定が間違ってたんだね。

ちなみに後で買ったCDの方は、
ピアノ伴奏がブレンデルなので、とっても音が温かい。
まるで「春の旅」のような。
きなこが一番大好きなピアニストなので、
ついつい7:3くらいでピアノの音の方を聴いてしまうのであります。

だから、同じフィッシャー・ディスカウでも、
昔のレコードの方が、より「冬の旅」っぽかったような…。
(たしかピアノはムーアだった)

レコードやCDに付いてる訳詞をちゃんと読めっ!て話でございますね。
んじゃ、読むか…。