アメリカの雑誌、タイム誌が、「今年の人」にドイツのメルケル首相を選んだそうだ。
これに異論を唱える人はいないだろう。
(「今年の人」には世界に影響を与えた“悪人”も選ばれるので、
良い悪いではなく、どれだけ世界に影響を与えたかが選考基準。)

ドイツでは、中東からヨーロッパに押し寄せる難民の多くを百万人単位で受け入れている。
シリアから長い距離を歩いてやっとドイツに入った人たちが、メルケルさんの写真を掲げて、
笑って歩いているシーンが、目に焼き付いている。

もちろんドイツ国内には、難民受け入れに反対の人もいる。
治安に不安を抱く人もいるだろうし、国内に定着したら職を奪われると心配の向きもあるだろう。
また、パリ連続テロ事件後、ドイツもシリア空爆に後方支援の派兵を決めたので、
ますます、国内の不安は増していることだろう。
だが、他のヨーロッパ諸国が難民受け入れに難色を示し始めたのに、
ドイツは、それでも難民受け入れをやめるとは言わないところが素晴らしい。
(12月10日現在)

ドイツは過去に、世界史の最大の汚点ともいうべき事をやってしまった。
だから戦後は、教育から徹底的に見直して今に至る。
その反省の流れがあるので、「人間の命」「平和」「歴史」に関しては、
真面目に真摯に取組んでいる。
ボランティア精神も浸透しているようだ。
(もちろん、一方で極右勢力も常に存在している。)

メルケルさんのリーダーシップは、今年に限ったことではない。
2010年、EUのギリシャへの財政支援で、
強力なリーダーシップを発揮した。
重要な国際会議では、必ずこの人の顔がある。

2011年の3.11の福島第一原発爆発後には、日を置かず(確か3日後くらいだった)
遠く離れたドイツで原発推進政策を凍結し、その後、脱原発に舵を切った。
物理学者であるから、原発の素晴らしさを認識すると同時に、
何か起こった時の恐ろしさを瞬時に理解したのだろう。
(。。。当の日本は、今だに原発再稼働なんて。。。ううっ、悲しい。)

そして今回の難民対応におけるリーダーシップ。

ちなみに日本では、中東からの難民受け入れは、昨年たったの11人だったそうだ。
ドイツの10万分の一である。(穴掘って入らねばならぬ…)
日本が中東と全く関係ないとは言えないだろう。
まして、同じ人間である。命の危機が迫り、困っている人達である。

ここで、視点をぐっと身近に持ってくると、
ウチの隣は、3年近く空き家のままです。(事故物件とでもいうのかなあ…。)
中東難民の方、どうぞ、と言いたいところだが、あいにく公営住宅なのでそうはいかぬ。

東京都は、何か災害が起きた時に備えて、常に一定数の空き家を確保しているという。
確かに今まで火山の噴火とか、大震災時には、その空き家が役に立っている。
が、今差し迫る危機は、大勢の難民である。ごく一部の人達にでも何とかならんかのう…。