15.5.8. ダイズマン その4

(あら、ダイズマン! どうしたの? 大きなズダ袋背負って?)

「あ、これですか? これズダ袋じゃなくて
“ダイズダブクロ”って言うんです!」

(呼び名はどうでもいいけど、何?)

「最近箱根山が噴火しそうだって言うじゃないですか。
だから非常用持ち出し袋なんです。
今、ちまたで流行ってるんですよ、知らないんですか?」

(知らんね…。 何が入ってるの?)

「懐中電灯、水、ティッシュ、ビニール袋、トイレットペーパー、
“柄がグラグラして今にも取れそうな雪平鍋”…」

(その“柄がグラグラして今にも取れそうな雪平鍋”はいったい何に使うの?)

「あ、これですか?
これは一回捨てようと思ったんですけどね、思い直しましてね。
この“柄がグラグラして今にも取れそうな雪平鍋”は、
噴火の時や地震で揺れが来た時に、さっと頭にかぶって、
上から落ちてくる物でケガしないようにするんです。」

(…ま、アリかも…)

「それにお腹が空いたら、畑に行って豆を取ってきて、
この“柄がグラグラして今にも取れそうな雪平鍋”で煮て食べるんです。」

(ダイズマン! アナタねえ、いくらお腹が空いたって言っても、
仲間を煮て食べるって、どうなのよ?
ドライ過ぎない?)

「はい。ダイズだけに良く乾燥されてます!」

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