15.5.28. ダイズマン その6

「あんこきな子っ!!」

(どうしたの? ダイズマン。ビックリマークを2本も立てて。)

「どうしたのじゃないですよ! 全くぅ!
このあいだ会社に来たら、誰もいないじゃないですか。」

(あら? 知らせてなかったっけ?)

「聞いてません!!」

(実は、北欧に近い国に視察旅行に行ってたのよ。)

「は?」

(いやね、とっても素晴らしい街だったんだけど、
古いだけあって、バリアフリーがイマイチって部分もあったね。
歩道の敷石の隙間があいてたり、レシートの文字が小さかったり…。
かの有名な美術館も、部屋と部屋の間に段差があったりしてね。
ワタシも何回か、けつまづいたね)

「あ、それはそれは。年には勝てませんね ♪。フフ。
でもわざわざ北欧に近い国って言わなくてもいいじゃないですか!
机の上に地図が置いてありますよ!
はっきりどこそこって言えばいいじゃないですか!」

(遊びだと思われそうだからね)

「いや、遊びでしょうよ!!
今度は僕も連れて行ってくださいよ!」

(ダイズにはパスポートが出ないね、多分。)

「………。」

15.5.20. ダイズマン その5

(あ、ダイズマン! お久しぶり。何しに来たの?)

「仕事ですよっ!
運動会、この季節にやる学校が多いじゃないですか。
だから、“ダイズ” 対 “あんこ”で何か面白い競技ができないか、
今、企画案を練ってるんです。」

(…練り餡ね。)

「さむっ! 冷房切りますよっ!」

(ところで、ダイズマン! この前言ってた
ゆきひら鍋を地震とか噴火の時に、パカッと頭にかぶるというアイデア、
なかなかいいと思うけど、あなたには大き過ぎない?
あなた、いったいダイズなの、人間なの?)

「う〜ん…。どっちなのかな〜。イマイチ不明…。
まぁ、どっちにしろ、鍋をかぶって難を逃れるって、いいじゃないですかぁ?」

(まあね。人間にも、ワンタッチで体全体を包み込む、
繭のような、持ち運び式のシェルターができるといいよね。)

「できるかなあ?」

(50年後くらいには、できるかも。
だって、昔はレコードを裏表ひっくり返しながら聞いてたけど、今は
マッチ箱より小さな “iPod” にレコード150枚分も入れて持ち歩けるんだからね。
レコード150枚ってダンボール箱に入れたら何箱になる? 重くて持ち運べないよ。
それがまあ、こんなに小さくなっちゃって…。
50年前には想像もできなかったことだからね。)

「マッチ箱に例えるなんて、あんこきな子も古いなあ〜」

15.5.18. あんこパンの話。

前回はメロンパンの話をしたので、今日はあんこパンの話をしよう。

あんこパン…。

20年以上前、事務所近くの店で、「あんパンの老舗K屋」の和生菓子3コ入りを買った。
一口サイズなので、普通だとそのままパクリといくところだが、
何故かその日に限って、ひっくり返して裏を見た。
と!、な、な、なんと!
ハエがそのまんまの姿で、貼り付いているではないか!

もうびっくりしたのなんの!
もちろん、そのまま、ゴミ箱へ、ポイ!
時間があれば、店に文句を言うなり保健所に届け出るなり、
何かしたと思うが、仕事が非常に忙しかったのと、
あまりにビックリしたので、残りの2コも食べずにそのままゴミ箱に捨てた。
もったいない〜。

それ以来、「老舗K屋のあんパン」は食べない。
いや、もしかしたら、「老舗K屋」ではなく別の「単なるK屋」かもしれないが。
今となってはどこの「K屋」か確かめようがないんですゎ。
ただ、今では生菓子を食べる時は必ず裏を確かめてから、いただきます。

…蝿が手をする 足をする…
ハエにとってもいきなり上からど〜んと、
練り切りのあんこが落ちてきてびっくりしただろね。

あれ? あんこパンの話のつもりが、和生菓子の話になってしまった。失礼!

15.5.15. たかがメロンパンで。

今朝コンビニに寄ったら、
「メロンパンの皮、焼いてみました」なる商品が、レジ横においてあった。

それを見て急に、60年近く前のことが思い出された。
幼稚園は、弁当のことが多かったが、
週に何回か、「メロンパンの日」があった。
その当時、私はメロンパンが大キライであった。
あのなんとも形容しがたい甘ったるい匂いと
ガサゴソした食感がイヤだった。

それで「メロンパンの日」は絶対に行きたくない、と駄々をこねて、
道端に座り込んでいた。
どんなになだめてもすかしても、行かないもんだから、
母親が業を煮やして、私を毎回ズリズリ園まで引きずっていったんでゴザイマス。
そのせいで、多分ズックの裏は相当すり減ったでしょうね。

とにかくあんな妙な匂いが立ち込める場所には行かない!!!!
…というわけで、普通の子なら大喜びのところ、ワタクシはイヤでしたので、
登園拒否をするのですが、まだ当時は体重が軽かったので、
ズリズリひきずられて幼稚園に通ってました。

「登校拒否」「登園拒否」が言われるよりはるか昔のことでゴザイマス。

たかがメロンパンで…。

15.5.14. つばめの季節。

千駄ヶ谷小学校交差点あたりを歩いていたら、
つばめが数羽、空を飛んでいた。
しっぽの切れ込みから、ひと目でわかる。
もうそんな季節なんだな。

つばめと言えば、宮本武蔵を連想する。
ライバルの佐々木小次郎の“燕返し”である。
ま、そこまで遡らなくてもいいか。
…田植えの済んだ田んぼの上をスイスイ飛び回る姿がいいよね。

…にしても、こんなビルばっかりの、
どこに巣を作ってるんだろう、と、上の方をきょろきょろしてみた。
この辺はちょっと裏通りに行けば、
普通の(お値段的には普通ではないだろうが)家があって、
都心とは思えないほど静かな住宅街ではある。

つばめは昔から人家の軒先に巣をつくり、人に好かれているけど、
それに比べ、同じく人の近くに棲むカラスは嫌われてるね。

昔、道を歩いていた時、電線にいたカラスに「◯んこ」を落とされ、
頭上直撃されたことがある。
この時は腹が立ったが、カラスって何て頭がいいんだろうと感心したものだ。
何故なら、人の歩く速度と距離、◯が落ちる時間を瞬時に判断しているのだ。
下に人がいる、と思ってから◯を落としたのでは、人の後ろに落ちる。
カラスはコンピューター並の計算をしている。スゴイのである。

横道にそれたが、「つばめ」→「5月」→「柏餅」。
そうだ! 生協行って「柏餅」買ってこよ!

15.5.8. ダイズマン その4

(あら、ダイズマン! どうしたの? 大きなズダ袋背負って?)

「あ、これですか? これズダ袋じゃなくて
“ダイズダブクロ”って言うんです!」

(呼び名はどうでもいいけど、何?)

「最近箱根山が噴火しそうだって言うじゃないですか。
だから非常用持ち出し袋なんです。
今、ちまたで流行ってるんですよ、知らないんですか?」

(知らんね…。 何が入ってるの?)

「懐中電灯、水、ティッシュ、ビニール袋、トイレットペーパー、
“柄がグラグラして今にも取れそうな雪平鍋”…」

(その“柄がグラグラして今にも取れそうな雪平鍋”はいったい何に使うの?)

「あ、これですか?
これは一回捨てようと思ったんですけどね、思い直しましてね。
この“柄がグラグラして今にも取れそうな雪平鍋”は、
噴火の時や地震で揺れが来た時に、さっと頭にかぶって、
上から落ちてくる物でケガしないようにするんです。」

(…ま、アリかも…)

「それにお腹が空いたら、畑に行って豆を取ってきて、
この“柄がグラグラして今にも取れそうな雪平鍋”で煮て食べるんです。」

(ダイズマン! アナタねえ、いくらお腹が空いたって言っても、
仲間を煮て食べるって、どうなのよ?
ドライ過ぎない?)

「はい。ダイズだけに良く乾燥されてます!」

15.5.1. ダイズマン その3

(あら、ダイズマン。今日は何か用?)

「あ、あんこきな子!
実はですね、僕というか私、とてもダイズ〈大事〉なことに気が付いたんで、
報告しに来たんです。
聞いてください!」

(何? 大事なことって?)

「それはですね、私の名前、ダイズマンっていうんですけど、実は私、男でも女でもないことに気づいたんですよ。」

(ん? それが何か?)

「あのぉ、ちょっとは驚いてくださいよ!
ダイズマンっていうと、男みたいじゃないですかぁ」

(いや、女の場合でも「サラリーマン A子」とか「ジャズマン B子」って言うじゃない。)

(それに渋谷区では、ついこの間、
『渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例』って
長ったらしい名前の条例が施行されたんだよ。
…『本条例は、性別などにとらわれることなく、 多様な個人が尊重され、
一人ひとりがその個性と能力を十分に発揮し、云々…』って書いてあるよ。
名前も性別も気にするな、ってこと!)

「ああ、でもなあ…。名前変えたい…」

(じゃあ、「ダイズ」ってのは?)

「なんか、そっけなさすぎ…」

(では、ダイズっち)

「なんかたまごっちみたい…」

(ダイズノスケ)

「もっと男じゃないですか…」

(ウマイダイズ)

「商品じゃあるまいし…」

(アナタねえ、さっきから自分の事ばかり言ってるけど、
世の中的にもっと大事な報告ができないの?
もちょっと目を大きく見開きなさい!)

…ああっ! ヤバイ! さっさと帰ろ。。。